How To本のつもりで読んだが、これは本当に感動的な本だ。社会に絶望した二人の男女の若者が、再生して、生き直すドキュメントだった。
しょぼい喫茶店の店長であるえもいてんちょうは、就職活動に失敗した大学生だ。大学生というモラトリアム期間が終えようとする、就職活動において、自分自身に深く絶望して自殺まで考える。
しょぼい喫茶店を支えるおりんさんは、元看護師で、激務からうつ病になり、実家に帰って療養中だが、死にたいことばかり考えている。
その二人が出会い、その名も「しょぼい喫茶店」という店を開いて、うまく行ったりうまく行かなかったりして、いつしか生への希望を見いだす様子を描いたノンフィクションである。
How To 本として優れた面もある。①物件は居抜き物件であること。とにかく家賃の安い物件であること。②毎日決まった時間に店を開け続けること。③人の縁を大切にすること。ネットの縁はそれほど当てにならないこと。例えばtwitterでのフォロー数などは持続した商売には結びつかない。④丁寧に生きること。④についてははっきりとは書かれてないが、例えば店の掃除をしっかりすることなどである。
私にもできるかもしれない。そう思わせてくれる本だった。
アマゾンで読む「しょぼい喫茶店の本」